死亡による逸失利益とは

解説

死亡による損害費目の1つです。

自賠法ではどうなっているのか

基本算式

逸失利益は、次のそれぞれに掲げる年間収入額又は年相当額から本人の生活費を控除した額に死亡時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数(別表II-1:表を見る)を乗じて算出する。

ただし、生涯を通じて全年齢平均給与額(別表III:表を見る)の年相当額を得られる蓋然性が認められない場合は、この限りでない。

逸失利益の額=

年間収入額本人の生活費)× 就労可能年数に対応するライプニッツ係数


有職者

事故前1年間の収入額と死亡時の年齢に対応する年齢別平均給与額(別表IV:表を見る)の年相当額のいずれか高い額を収入額とする。
ただし、次に掲げる者については、それぞれに掲げる額を収入額とする。

  1. 35歳未満であって事故前1年間の収入額を立証することが可能な者
    事故前1年間の収入額、全年齢平均給与額の年相当額及び年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額。

  2. 事故前1年間の収入額を立証することが困難な者
    a)35歳未満の者
    全年齢平均給与額の年相当額又は年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額。

    b)35歳以上の者
    年齢別平均給与額の年相当額。

  3. 退職後1年を経過していない失業者(定年退職者等を除く。)

以上の基準を準用する。この場合において、「事故前1年間の収入額」とあるのは、「退職前1年間の収入額」と読み替えるものとする。

幼児・児童・生徒・学生・家事従事者

全年齢平均給与額の年相当額とする。
ただし、58歳以上の者で年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を下回る場合は、年齢別平均給与額の年相当額とする。

その他働く意思と能力を有する者

年齢別平均給与額の年相当額とする。
ただし、全年齢平均給与額の年相当額を上限とする。

年金等の受給者

(1)にかかわらず、年金等の受給者の逸失利益は、次のそれぞれに掲げる年間収入額又は年相当額から本人の生活費を控除した額に死亡時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数(別表II-1:表を見る)を乗じて得られた額と、年金等から本人の生活費を控除した額に死亡時の年齢における平均余命年数のライプニッツ係数(別表II-2:表を見る)から死亡時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数を差し引いた係数を乗じて得られた額とを合算して得られた額とする。

ただし、生涯を通じて全年齢平均給与額(別表III:表を見る)の年相当額を得られる蓋然性が認められない場合は、この限りでない。

年金等の受給者とは、各種年金及び恩給制度のうち原則として受給権者本人による拠出性のある年金等を現に受給していた者とし、無拠出性の福祉年金や遺族年金は含まない。

有職者

事故前1年間の収入額と年金等の額を合算した額と、死亡時の年齢に対応する年齢別平均給与額(別表IV:表を見る)の年相当額のいずれか高い額とする。
ただし、35歳未満の者については、これらの比較のほか、全年齢平均給与額の年相当額とも比較して、いずれか高い額とする。

幼児・児童・生徒・学生・家事従事者

年金等の額と全年齢平均給与額の年相当額のいずれか高い額とする。
ただし、58歳以上の者で年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を下回る場合は、年齢別平均給与額の年相当額と年金等の額のいずれか高い額とする。

その他働く意思と能力を有する者

年金等の額と年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額とする。
ただし、年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を上回る場合は、全年齢平均給与額の年相当額と年金等の額のいずれか高い額とする。

生活費の立証が困難な場合

生活費の立証が困難な場合、被扶養者がいるときは年間収入額又は年相当額から35%を、被扶養者がいないときは年間収入額又は年相当額から50%を生活費として控除する。



解決のヒント

通常の損害賠償の算定においては、自賠責保険における収入の算定方法は原則として採用されていないことに注意する必要があります。


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