明治時代の代書人から街の法律家へ

最近のトピックでは、

平成26年の法改正により不服申立手続が明記された。

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行政書士法のあゆみ

行政書士法のあゆみ

行政書士法の一部を改正する法律 (平成26年 6月 27日法律第89 号)

(業務)
第1条の2  行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
2  行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

第1条の3  行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。

一  前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続及び当該官公署に提出する書類に係る許認可等(行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第2条第3号 に規定する許認可等及び当該書類の受理をいう。次号において同じ)に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法 (昭和二十四年法律第二百五号)第七十二条 に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く。)について代理すること。

二 前条の規定により行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること。

三  前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。

四  前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。

2 前項第二号に掲げる業務は、当該業務について日本行政書士会連合会がその会則で定めるところにより実施する研修の課程を修了した行政書士(以下「特定行政書士」という。)に限り、行うことができる。

第1条の4  前二条の規定は、行政書士が他の行政書士又は行政書士法人(第13条の3に規定する行政書士法人をいう。第8条第1項において同じ。)の使用人として前二条に規定する業務に従事することを妨げない。

(特定行政書士の付記)
第7条の3 日本行政書士会連合会は、行政書士が第1条の3第2項に規定する研修の課程を修了したときは、遅滞なく、当該行政書士の登録に特定行政書士である旨の付記をしなければならない。

2 日本行政書士会連合会は、前項の規定により行政書士名簿に付記をしたときは、その旨を当該行政書士に書面により通知しなければならない。

(登録の細目)
第7条の4  この法律に定めるもののほか、行政書士の登録に関し必要な事項は、日本行政書士会連合会の会則で定める。

(設立)
第13条の3  行政書士は、この章の定めるところにより、行政書士法人(第1条の2及び第1条の3第1項(第2号を除く。)に規定する業務を組織的に行うことを目的として、行政書士が共同して設立した法人をいう。以下同じ。)を設立することができる。

(業務の範囲)
第13条の6  行政書士法人は、第1条の2及び第1条の3第1項(第2号を除く。)に規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。ただし、当該第1号の総務省令で定める業務を行うことができる行政書士に関し法令上の制限がある場合における当該業務及び第二号に掲げる業務(以下「特定業務」という。)については、社員のうちに当該特定業務を行うことができる行政書士がある行政書士法人に限り、行うことができる。

一 法令等に基づき行政書士が行うことができる業務のうち第1条の2及び第1条の3第1項(第2号を除く。)に規定する業務に準ずるものとして総務省令で定める業務の全部又は一部

二 第1条の3第1項第2号に掲げる業務

(日本行政書士会連合会の会則)
第18条の2  日本行政書士会連合会の会則には、次の事項を記載しなければならない。
一  第16条第1号、第2号及び第4号から第7号までに掲げる事項
第1条の3第2項に規定する研修その他の行政書士の研修に関する規定
三  行政書士の登録に関する規定
四  資格審査会に関する規定
五  その他重要な会務に関する規定

附 則

(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。

(行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正)
2 行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成二十六年法律第 号)の一部を次のように改正する。

第四十三条中行政書士法第四条の十八の改正規定の前に次のように加える。
第1条の3第1項第2号中「異議申立て」を「再調査の請求」に改める。

行政書士法の一部を改正する法律 (平成20年 1月17日法律第3号)

行政書士法の一部を改正する法律 (平成15年 7月30日法律第131号)

行政書士法の一部を改正する法律 (平成13年 6月29日法律第77号)

行政書士法の一部を改正する法律 (平成 9年 6月18日法律第84号)

行政書士法の一部を改正する法律 (昭和60年 6月14日法律第58号)

行政書士法の一部を改正する法律 (昭和58年 1月10日法律第2号)

行政書士法の一部を改正する法律 (昭和55年 4月30日法律第29号)

行政書士法の一部を改正する法律 (昭和46年 6月 4日法律第101号)

行政書士法の一部を改正する法律 (昭和39年 6月 2日法律第93号)

行政書士法の一部を改正する法律 (昭和35年 5月20日法律第86号)

行政書士法 (昭和26年 2月22日法律第4号)

昭和二十六年法律第四号
行政書士法

(業務)
第1条 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする。
2 行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

(資格)
第2条 第4条の規定による行政書士試験に合格した者は、当該都道府県において行政書士となる資格を有する。
2 左の各号の一に該当する者は、いずれの都道府県においても、行政書士となる資格を有する。

一 弁護士となる資格を有する者
ニ 弁理士となる資格を有する者
三 公認会計士となる資格を有する者
四 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間がこれを通算して八年以上(次条第二号に該当する者にあつては五年以上)になる者

(行政書士試験の受験資格)
第3条 左の各号の一に該当する者は、行政書士試験を受けることができる。

一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校を卒業した者その他同法第五十六条第一項に規定する者
二 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間がこれを通算して三年以上になる者
三 都道府県知書の定めるところにより、前号に掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると認められた者

(行政書士試験)
第4条 都道府県知事は、毎年一回以上行政書士試験を行わなければならない。
2 前項の試験は、行政書士の業務に関し必要な知識及び能力について行う。
3 行政書士試験を受けようとする者は、政令の定めるところにより、試験手数料を当該都道府県に納めなければならない。
4 前三項に規定するものの外、試験の科目、受験手続その他行政書士試験に関し必要な事項は、都道府県条例で定める。

(欠格事由)
第5条 左の各号の一に該当する者は、行政書士となることができない。

一 未成年者
二 禁治産者又は準禁治産者
三 禁こ以上の刑に処せられた者で、その執行を終り又は執行を受けることがなくなつてから二年を経過しないもの
四 公務員で懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
五 第14条第1項の規定により登録取消の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者

(登録)
第6条 行政書士となる資格を有する者は、行政書士となるには、その資格を有する都道府県において備える行政書士名簿に、住所、氏名、生年月日、事務所の所在地その他都道府県知事の定める事項につき、登録を受けなければならない。
2 行政書士の登録を受けようとする者は、政令の定めるところにより、登録手数料を当該都道府県に納めなければならない。
3 一の都道府県において行政書士の登録を受けている者は、重ねて、他の都道府県において、行政書士の登録を受けることができない。
4 この法律に定めるものを除く外、登録の申請、登録事項の変更。行政書士名簿その他登録に関し必要な事項は、都道府県規則で定める。
5 第2条第1項の規定により行政書士となる資格を有し、行政書士の登録を受けた者は、やむを得ない事由がある場合に限り、第2条第1項の規定にかかわらず、他の都道府県において、その都道府県知事の認可を受けることにより、行政書士となる資格を有することができる。

(登録のまつ消)
第7条 都道府県知事は、行政書士の登録を受けた者が左の各号の一に該当する場合には、その登録をまつ消しなければならない。

一 第5条第二号から第五号までに掲げる事由の一に該当するに至ったとき。
二 前条第五項の規定により他の都道府県知事の認可を受け当該都道府県において行政書士の登録を受けたとき。
三 その業を廃止しようとする旨の届出があったとき。
四 死亡したとき。
五 前条第三項の規定に違反して登録を受けたとき。

(事務所)
第8条 行政書士は、登録を受けた都道府県において事務所を設けなければならない。その事務所は、一箇所とする。
2 行政書士は、都道府県知事の認可を受けた場合に限り、出張所を設けることができる。

(報酬)
第9条 行政書士が受けることのできる報酬の額は、都道府県知事の定めるところによる。
2 行政書士は、その業務に関して、前項に規定する額をこえて報酬を受けてはならない。
3 行政書士は、その事務所又は出張所の見易い場所に、報酬の額を掲示しなければならない。

(帳簿の備付及び保存)
第10条 行政書士は、その業務に関する帳簿を備え、これに事件の名称、年月日、受けた報酬の額、依頼者の住所氏名その他都道府県知事の定める事項を記載しなければならない。
2 行政書士は、前項の帳簿をその関係書類とともに、帳簿閉鎖の時から一年間保存しなければならない。行政書士でなくなったときも、また同様とする。

(依頼に応ずる義務)
第11条 行政書士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒むことができない。

(秘密を守る義務)
第12条 行政書士は、正当な理由がなく、その業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士でなくなった後も、また同様とする。

(立入検査)
第13条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、日没から日出までの時間を除き、当該吏員に行政書士の事務所又は出張所に立ち入り、その業務に関する帳簿及び関係書類を検査させることができる。
2 前項の場合においては、都道府県知事は、当該吏員にその身分を証明する証票を携帯させなければならない。
3 当該吏員は、第一項の立入検査をする場合においては、その身分を証明する証票を関係者に呈示しなければならない。
4 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(登録の取消等の処分)
第14条 行政書士が、この法律若しくはこれに基く命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したとき又は行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事は、左の各号の処分をすることができる。
一 一年以内の業務の停止
二 登録の取消
2 都道府県知事が前項の処分をしようとするときは、当該行政書士又はその代理人の出頭を求めて、公開による聴聞を行わなければならない。
3 前項の場合において、都道府県知事は、処分をしようとする事由並びに聴聞の期日及び場所を、その期日の一週間前までに、当該行政書士に通知し、且つ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
4 聴聞においては、当該行政書士又はその代理人は、釈明をし、且つ、証拠を提出することができる。
5 都道府県知事は、当該行政書士又はその代理人が正当な理由がなくて聴聞の期日に出頭しないときは、聴聞を行わないで、第一項の処分をすることができる。

(行政書士会)
第15条 行政書士は、都道府県の区域ごとに、会則を定めて、行政書士会を設立することができる。
2 行政書士会は、行政書士の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする。

(行政書士会の会則)
第16条 行政書士会の会則には、左の事項を記載しなければならない。

一 名称及び事務所の所在地
二 会の代表者その他役員に関する規定
三 会議に関する規定
四 会計に関する規定
五 行政書士の品位保持に関する規定
六 その他重要な会務に関する規定

(行政書士会の会員)
第17条 行政書士会の区域内に事務所を有する行政書士は、その行政書士会の会員となることができる。

(行政書士会連合会)
第18条 行政書士会は、共同して特定の事項を行うため、会則を定めて、全国を単位とする行政書士会連合会を設立することができる。

(行政書士でない者の取締)
第19条 行政書士でない者は、業として第1条に規定する業務を行うことができない。但し、他の法律に別段の定がある場合及び正当の業務に附随して行う場合は、この限りでない。
2 行政書士でない者は、行政書士又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。

(総理府令への委任)
第20条 この法律に定めるものの外、行政書士の業務執行、行政書士会及び行政書士連合会に関し必要な事項は、総理府令で定める。

(罰則)
第21条 第19条第1項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。

第22条 第12条の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

第23条 左の各号の一に該当する者は、五千円以下の罰金に処する。
一 第9条第2項、第10条又は第11条の規定に違反した者
二 第13条第1項の規定による当該吏員の検査を拒み、妨げ又は忌避した者
三 第19条第2項の規定に違反した者

附 則
1 この法律は、昭和二十六年三月一日から施行する。
2 この法律施行の際、現に第1条に規定する業務を行っている者(第5条第一号から第四号までの一に該当する者を除く。)で、同条に規定する業務を行った年数を通算して三年以上になるものは、この法律の規定による行政書士とみなす。
3 前項の規定により行政書士とみなされた者は、この法律施行の日から二月以内に、その業務を行っている都道府県において、第6条の規定による登録を受け、及び出張所を設けている者にあつては第8条第2項の規定による認可を受けなければならない。当該期間内にその登録の申請をしない場合においては、当該期間経過の日において、行政書士の資格を失う。
4 第2項に掲げる者を除く外、この法律施行の際現に第1条に規定する業務を行っている者(第5条第一号から第四号までの一に該当する者を除く。)は、この法律施行後一年を限り、行政書士の名称を用いてその業務を行うことができる。この場合においては、その者に対して、第7条から第14条まで及び第22条の規定並びに第23条第一号及び第二号の罰則を準用する。
5 前項の規定により行政書士の業務を行うことができる者は、この法律施行の日から二月以内に、その業務を行っている都道府県において、第6条の規定に準じて都道府県知事が定めるところにより、登録を受けなければならない。当該期間内に登録の申請をしない場合においては、当該期間経過後は、前項の規定にかかわらず、行政書士の業務を行うことができない。
6 都道府県知事は、この法律施行の日から六月以内に、最初の行政書士試験を行わなければならない。
7 この法律施行の際、現に第1条に規定する業務を行っている者又は同条に規定する業務を行った年数を通算して一年以上になる者は、この法律施行後三年を限り、第3条の規定にかかわらず、行政書士試験を受けることができる。
8 この法律施行の際、現に第1条に規定する業務を行っている者のその業務に関する報酬の額については、第9条第1項の規定により都道府県知事が報酬の額を定めるまでは、従前の額をもって同条同項の規定により定められた報酬の額とみなす。
9 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
10 建築代理士に関しては、この法律施行後でも、当分の間、条例の定めるところによるものとし、その条例は、第1条第2項及び第19条第1項但書の規定の適用については、法律とみなす。
11 地方自治庁設置法(昭和二十四年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
第三条に次の一号を加える。
九 行政書士に関する事務を処理すること。

  • 逐條説明
    昭和二十六年二月二日(金曜日)第010回国会 地方行政委員会 第7号

第一條は、
行政書士の業務を規定いたしたのでございまして、行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とすることを規定したのでございます。

この第一條一項の、官公署に提出する書類と申しますのは、広く司法官庁であろうと、行政官庁であろうと、或いは地方団体の役所であろうと、広く一応謳つておるのでありまして、それぞれの専門的な特殊の事項につきまては、ほかにいろいろの法律がございまして、その業務を行うべきものの資格を定めまして、その法律の規定に基かないものの業務を行うことを禁止しておる法律がたくさんあるのでございます。

その法律によつて禁止しておる事項は、第二項におきまして、行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。かように、官公署に提出する書類の中からそれらの業務を除外しておるのであります。

例えば特許権、実用新案権或いは意匠権等につきまして特許庁に提出する書類、これにつきましては、弁理士法の規定があるのでございます。又所得税、法人税その他政令で定める国税について、税務官庁に提出する書類についても、税務代理士法に規定があるのでございます。

その他土木調査士法、或いは建築士法、或いは司法書士法等についても、それぞれ規定があるのでございまして、それらに規定する業務は、第一條一項の業務から除外されるのでございます。

第二條は、
行政書士の資格を定めたものでございまして、第四條の規定による行政書士試験に合格した者は、当該都道府県において行政書士となる資格を有することになつているのでございます。

第三條は、
行政書士試験の受験資格を定めることでございまして、学校教育法による高等学校を卒業した者その他学校教育法に定める普通の課程によりまして十二年の学校教育を修了した者、或いは監督庁の定めるところによりましてこれらと同様の資格を有する者、これは行政書士試験の受験資格があるのでございます。

それから国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間がこれを通算して三年以上になる者、これも受験資格があるのでございます。更に都道府県知事の定めるところによりまして、国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間が三年以上になる者と知識及び能力において同等以上と認められた者に受験資格を認めたのでございます。

第四條は、
行政書士試験のことを定めたのでございまして、都道府県知事は、毎年一回以上行政書士試験を行わなければならない。又行政書士試験におきましては、行政書士の業務に関して必要な知識と能力について行うことになつているのであります。

なお行政書士試験を受けようとする者は、政令の定めるところによりまして、試験手数料をその試験を行う都道府県に納めなければならない。又これらの事項の外、試験の科目や受験手続その他行政書士試験に関しまして必要な事項は、都道府県規則で定めることになつております。

第五條は、
行政書士となることの欠格事由を定めたのでございまして、未成年者、禁治産者、準禁治産者、禁錮以上の刑に処せられた者で、その執行を終り又はその執行を受けることがなくなつてから二年を経過しない者、公務員として懲戒免職の処分を受けて、当該処分の日から二年を経過しない者、又は都道府県知事によつて登録取消の処分を受けまして、その処分の日から二年を経過しない者、これらの者は、行政書士となる資格がないのでございます。

第六條は、
登録について規定したのでございまして、行政書士となる資格を有する者は、行政書士となるためには、その資格を有する都道府県において備える行政書士名簿に、佳所、氏名、生年月日、事務所の所在地その他都道府県知事の定める事項につき、登録を受けなければならないことになつております。

なお登録を受けようとする者は、政令の定めるところによりまして、登録手数料をその当該都道府県に納めなければならないことになつております。

なおこの法律に定めるものを除く外、登録の申請であるとか、登録事項の変更、行政書士名簿その他登録に関しまして必要な事項は、これを都道府県規則で定めることになつております。

行政書士の登録を受けた者は、止むを得ない事由がある場合に限つて、他の都道府県において、その都道府県知事の認可を受けることによつて、行政書士となる資格を有することができると、特に第六條第四項は定めたのでありますが、これは第二條に、行政書士の試験を行なつたその都道府県においてのみ行政書士となる資格を有することになつておりますので、特に止むを得ない事由があつた場合に限つて、他の都道府県知事の認可を受けることによつて、行政書士となる資格を取得する途を開いたのでございます。

第七條は、
登録の抹消について規定したのでありまして、これはいわば登録簿の整理と申しますか、登録された者が資格を失つたり或いは死亡したり或いは廃業の届出があつた場合、登録簿からその者の登録を抹消するように規定したのであります。

第八條は、
事務所について規定したのでありまして、行政書士は、登録を受けた都道府県においてのみ事務所を設けなければならない。登録を受けない都道府県において事務所を設けることはできない。従つて業務を行い得ないのでございます。

その事務所の数は一カ所とする。なお行政書士は、都道府県知事の認可を受けた場合に限つて、出張所を設けることができる。これは直接には出張所の数を制限していないのでありまして、都道府県知事が認可をすれば、それぞれ出張所を設けることができることにいたしたのであります。

第九條は、
行政書士の受けることができる報酬について規定したのでありまして、その報酬の額は、都道府県知事がこれを定めることになつておるのであります。

なお行政書士は、その業務に関しまして、都道府県知事の定める報酬を超える報酬を受けてはならない。多額の報酬を要求し、これを受けることを禁止しておるのであります。又一般にその報酬の額を明示することが一般の便宜にかないますので、事務所又は出張所の見やすい場所に報酬の額を掲示すべきことになつておるのであります。

なお第十條は、
帳簿の備付及び保存について規定したのでありまして、行政書士は、その業務に関しましで帳簿を備え、そしてこれに事件の名称、年月日、受けた報酬の額、依頼者の住所氏名その他都道府県知事の定める事項を記載すべきことになつております。

なおこれらの帳簿は、その関係書類と共に帳簿閉鎖の時から一年間はこれを保存しなければならないことになつています。行政書士でなくなつたときも、そのときにおいて帳簿を閉鎖いたしますので、その時から一年間は同様に保存しなければならないことになつております。

第十一條は、
行政書士は依頼を受けた場合、正当な事由がなければ、これを拒むことができないことを規定しております。

第十二條も同様、
行政書士の義務を規定したのでございまして、行政書士は、正当な理由がなくて、その業務上取扱つた事項について知り得た秘密を漏らすことを禁止しているのであります。

なお行政書士でなくなつたのちも同様に、業務上取扱つた事項についてはその秘密を漏らしてはならないことになつているのであります。

第十三條は、
都道府県知事の監督、地方公共団体の立入検査権を認めたのでありまして、都道府県知事は、必要があると認めたときは、日没から日の出までの時間を除いて、当該地方公共団体、当該都道府県の吏員をして行政書士の事務所又は出張所に立入つて、その業務に関する帳簿及び関係書類を検査させることができるように規定したのでございます。

なお、その場合におきましては、都道府県知事は、当該吏員にその身分を証明する証票を携帯させなければならないことになつております。この身分証明書は、当該吏員が立入検査をする場合に、関係者に呈示しなければならないのであります。

なお第十三條第四項は、立入検査をする都道府県知事の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないというふうに規定いたしまして、これは單に行政上の監督手段として認められておるものであるというふうに規定したのでございます。

なお第十四條は、
登録の取消等の都道府県知事の処分を定めたのでありまして、法律やそれに基く命令、規則その他の都道府県知事の処分に違反したとき、或いは行政書士たるにふさわしくない重大な非行があつた場合に、業務の取消や登録の取消等の処分をすることを規定したのであります。この場合に処分を受ける者の利益を保護するために、聴聞の制度を設けたのでございます。

第十五條は、
行政書士会について規定したのでありまして、都道府県の区域ごとに行政書士会を設けることができる旨を規定したのでございます。

第十六條は、
行政書士会の会則には、一定の事項を記載しなければならない旨を規定したのであります。

なお第十七條は、行政書士会の区域内に事務所を有する行政書士は、その行政書士会の会員となることができるということを規定したのでありまして、これは加入につきましても或いは脱退につきましても、自由にできることになるのでございます。

第十八條は、
行政書士会の連合会についての規定でございます。

十九條は、
行政書士でない者は行政書士の業務を行うことができない旨を規定したのでございまして、更に又行政書士でない者は、行政書士或いは又行政書士とまぎらわしい名称を用いてはならないことを規定したのでございます。

なお行政書士の業務執行、行政書士会及び行政書士会連合会について必要な事項は、これを総理府令で定めるところに譲つております。

なお附則におきまして、この法律施行の際に行政書士の業務を行なつておる者の取扱方を規定してあるのでありまして、現に引続いて一年以上、行政書士の業務を行なつておる者で、これまで行政書士の業務を行なつた年数を通算して三年以上になる者は、当然この法律による行政書士とみなしたわけであります。

なおこれら行政書士とみなされた者は、一定の期間内にそれぞれ登録を受け或いは出張所の認可を受けなければならない。その期間を経過して登録を受けない者は、行政書士の資格を失うことになつております。

なお只今の行政書士の業務を行なつておる者で、行政書士とみなされた者以外の者で、行政書士の業務を行なつておる者につきましては、この法律施行後一年を限つて、行政書士の名称を用いてその業務を行うことができることにいたしたのでございます。勿論こういう者につきましては、行政書士と同様にいろいろな義務乃至は監督を定めた規定の適用があるのでございます。

それからこの法律の施行の際、現に行政書士の業務を行なつておる者或いは又従来その業務を行なつた年数を通算いたしまして一年以上になる者は、この法律施行後三年を限つて、第三條に定めました受験資格の如何にかかわらず、行政書士試験を受けることができる途を開いたものでございます。

なおこの法律の施行につきまして、総理府令に譲つた事項もございますので、地方自治庁設置法の一部を改正いたしまして、地方自治庁は、行政書士に関する事項を取扱い得るしというふうに権限を認めたのでございます。簡単ではございますが、御説明を終ります。


今日の行政書士は、昨日以前の幾多の先人たちが、時の流れの中から生まれ、時の積み重ねから育てられた尊い歴史の結晶である。=大阪府行政書士会史より=

行政書士法ができるまで

法律書類を作るのであれば代書人のところへ

明治36年8月24日

代書人取締規則 大阪府

≪戦後混乱期(昭和20年~25年)≫

昭和22年12月31日

内務省の廃止と同時に「代書人規則」も失効した。

昭和23年8月16日

大阪府行政書士条例が制定・公布。

≪戦後復興期(昭和25年~30年)≫

行政書士法ができてから

昭和26年2月22日

行政書士法制定・公布 3月1日施行。

弁護士法(昭和24年)、司法書士法(昭和25年)に続いて、行政書士法が公布された。

昭和26年3月31日

大阪府行政書士条例廃止。

昭和26年6月8日

住民登録法

行政書士会の動き(団結して当局に当たれ)

昭和26年10月1日

大阪府行政書士会の会報第1号が発行された。

昭和27年4月15日

第2回定時総会 会員158名

昭和28年2月22日

日本行政書士会連合会の創立総会(大阪市)

≪神武景気(昭和29年~32年)≫

≪岩戸景気(昭和33年~昭和36年)≫

行政書士会が強制加入団体に

昭和35年5月20日

行政書士法の一部を改正する法律公布(しくみに関するもの)
この改正で、必ず入会しなければ、行政書士業務を行うことができなくなった。

≪昭和35年7月 所得倍増政策≫

昭和39年6月2日

行政書士法の一部を改正する法律公布(業務に関するもの)
この改正により、事実証明に関する書類に実地調査による図面作成が認められた。

≪いざなぎ景気(昭和40年11月~昭和45年7月)≫

昭和43年6月3日

社会保険労務士法公布

行政書士会の自主制度が確立

昭和46年6月4日

行政書士法の一部を改正する法律公布(しくみに関するもの)

昭和47年12月1日

公法人となる資格付与

行政書士会の動き 登録事務の移譲

≪第1次石油ショック(昭和48年10月)~安定成長の時代へ≫

昭和49年5月

大阪高等裁判所新庁舎の落成式

行政書士会の動き

昭和49年6月24日

大阪自由業団体連絡協議会設立・発足

昭和49年8月12日

同上 第1回総会

昭和50年6月1日現在

会員数978名 18支部

東支部と南支部(中央支部)、此花支部と西支部(西支部)、東成支部(天王寺支部)、河南支部(南大阪支部)、泉南支部(泉州支部)を除き、現在と同じ編成となっていた。

昭和51年11月

民法等の一部改正に伴う省令が出て、「戸籍等謄抄本職務上請求書」が統一用紙として作成された。

行政書士会の動き

昭和54年11月30日

日本行政書士会連合会において、倫理綱領を制定昭和55年1月7日「経営に関する事項の審査」業務に関する特設窓口を設置した。

社労士業務との調整を図る

昭和55年4月30日

行政書士法の一部を改正する法律公布9月1日施行。(業務に関するもの)
この改正により官公署に提出する手続きを代行し、または当該書類の作成について相談に応じることができるようになった。

昭和55年税理士法改正

税理士法「第51条の2」に「行政書士が行う税務書類の作成」が明記された。

行政書士会の動き

昭和55年4月1日現在

行政書士会員 26,605人

昭和57年2月15日

行政書士試験合格者を対象とした講習会が実施された。

試験制度の改革、登録即入会制に

昭和58年1月20日

行政書士法の一部を改正する法律公布 昭和58年1月10日公布。(しくみに関するもの)

行政書士の業務のより適正な運営に資するため

昭和60年6月14日

行政書士法の一部を改正する法律公布(しくみに関するもの)
この改正で、登録事務の一元化、登録の拒否及び取り消し、資格審査会の設置。

行政書士の受ける報酬規制が撤廃された。

≪プラザ合意(昭和60年9月22日)≫

≪バブル景気(昭和61年12月~平成3年2月)≫

≪複合不況、平成不況(平成3年頃~平成14年頃或いは15年頃)≫

平成5年11月12日

行政手続法公布 平成6年10月1日 施行

行政書士の業務の質を確保するため

平成9年6月18日

行政書士法の一部を改正する法律公布(業務に関するもの)
この改正により目的規定が創設され、欠格事由に破産者で復権を得ないものが追加された。

業務の明確化

平成13年6月29日

行政書士法の一部を改正する法律公布(業務に関するもの)
国民の行政手続的権利に資するだけなく、民事書類の代理作成業務を通じて法律専門職として依頼者国民の利便に役立つことが明記された。

行政書士証票を交付しなければならないことになった。

≪いざなみ景気(平成14年2月~平成19年11月)≫

国民からの一層の理解と信頼を確保するため

平成15年7月30日

行政書士法の一部を改正する法律公布(しくみに関するもの)
この改正で、行政書士法人を設立することができるようになり、国民一般からの懲戒処分請求制度の創設、懲戒処分の公報による公告がされるようになった。

聴聞、弁明の代理業務を明記

平成20年1月17日

行政書士法の一部を改正する法律公布(業務に関するもの)
たとえば、「建設業の許可申請から聴聞、弁明に至るまで一貫して担うこととなり、事務の迅速化等が図られ、国民のニーズにこたえる」(第168回国会総務委員会会議録より)などがある。

許認可等に関する不服申立手続が可能に

平成26年6月27 日

行政書士法の一部を改正する法律公布(業務に関するもの)
特定行政書士による行政庁への不服申立手続の規定が追加された。

行政書士会の動き

平成27年2月28日現在

参考資料:大阪府行政書士会史





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